なぜ推し活貯金ができないのか|意志が弱いからじゃない!口座の構造で解決する方法

- 推し活しながら貯金したいのに、お金が残らない
- 貯金しようと決意しても続かない自分が情けない
- 周りのオタクは貯金できてると思うと不安
「推し活貯金できないのは意志が弱いから」と自分を責めていませんか?
実は、貯金が続かない原因は意志の強さではなく、お金の置き場所にあります。
FP2級を持ち、かつて推し活で貯金ゼロを経験した筆者が、心理面から考える貯金できない本当の理由と「仕組みで解決する」方法を解説します。
- 推し活貯金ができないのは意志が弱いからではない
- 「貯金=損」に感じてしまう心理的なしくみ
- 口座を分けるだけで貯金が続くようになる理由

紫束
- FP2級
- 2次元オタクで元グッズ厨
- 推し活で貯金0→担降りの後悔からお金の勉強を開始
- 人生100年時代の「後悔しない推し活」を提案
- 本記事は特定の金融商品・サービスを推奨するものではありません。家計の状況は個人により異なるため、重要な判断の際は専門家にご相談ください。
- 筆者はFP2級保有者ですが、本記事は一般的な情報提供および個人の体験に基づく内容です。個別の家計状況に応じた判断は、金融機関・専門家へご相談ください。
「貯金できない」のは意志が弱いからじゃない

結論から言うと、推し活をしながら貯金できないのは、意志の問題ではなくお金の置き方の問題です。
「あるだけ使ってしまう」のは自然なこと
「銀行口座にあるお金は使っていい」と感じるのは、ごく自然な感覚です。
私自身も、推し活をしていた時代は「口座に入っている=使えるお金」という認識でした。
給与が入っても、グッズの支払いをしても、生活費を引き落としても、すべて同じ口座の中。残高が減ればまた給料日を待つ、その繰り返しで貯金はずっと少ないまま…
今から私は「支払い用と貯金用の口座を分けよう」という話をしますが、推し活当時の私にはその発想はありませんでした。
もし過去の私が「口座を分ける」という選択肢を知っていたら、生活費の支払いも危なくなって推し活をやめる事態は回避できたかもしれないと思います。単にお金の流れと心の構造を知らなかったのです。
「余ったら貯金」は推し活と相性が悪い
「余ったお金で貯金しよう」という考え方は、推し活をしていると機能しません。
推し活では、突発的な出費が頻繁に発生します。
突然の限定通販、思いがけず当たったチケット、サプライズ発表のイベント…
どれも「今しかない」という性質を持っているため、お金があれば使う判断をしてしまいがちです。
「余ったら貯金」の方針では、推し活が続く限り「余り」は発生しません。悪いのはあなたの意志ではなく、「余ったら」という条件設定の方です。
貯金が「損」に見えるしくみ


推し活貯金が続かない理由は、行動経済学(心理学+経済学)でも説明できます。
無意識の心理的な働きが、貯金を邪魔しています。
人間は心の中でお金を「用途別」に分けている
行動経済学に「メンタルアカウンティング(心理会計)」という考え方があります。同じ金額でも、用途や状況によって価値の感じ方が変わるというものです。
推し活をしている人なら、以下のような経験はないでしょうか。
- 日用品の700円は高いと感じるのに、グッズの700円は気にならない
- 「ライブ遠征費は別腹」と感じる
- グッズ代は「推しへの投資」だから仕方ないと思う
これはまさに「心の中でお金を用途別に分けている」状態です。日用品と推し活では、「700円の物」という意味では同等の物なのに別の基準で損得を判断しています。
心の中に「日用品」「推しのグッズ」「チケ代」という枠が設定されていて、枠ごとに価値の判定基準が違うんです。
「貯金」の枠がないと、貯金は「損」になる
貯金で問題になるのは、心の中に「貯金用のお金」という枠がない(=「貯金」に価値があるかどうかの判定基準がない)場合です。
推し活費や生活費の枠はあるのに、貯金の枠がない。この状態で「貯金しよう」と思うと、心理的には「今使えるはずのお金を減らす行為」として処理されます。よって貯金=損をすること、という感覚が生まれます。
「推しのグッズを買う」なら、お金が減っても「グッズが手に入った」という満足感で相殺されます。しかし「貯金する」は、心の中に貯金の枠がなければ「何も得られずにお金だけ減った」という感覚になります。
つまり、1万円分グッズを買うのと、1万円を貯金するのでは、同じ1万円でも心の中での処理方法が違います。グッズのほうが価値が高く判定されてしまうので、貯金を選べないのです。


さらに行動経済学では、人は「将来得られる利益」より「今失うもの」の方が大きく感じる傾向があることがわかっています。貯金は頭では正しいとわかっていても、心理的には「今の自分が損をする行為」として抵抗が生まれやすいのです。
加えて、人間の脳は「未来の10万円」より「今目の前にある推しのグッズ」を優先するようにできています。
将来のために今を我慢する判断は、意志が弱いからできないのではなく、そもそも脳にとって不自然な選択なのです。
それぞれ「損失回避」「双曲割引」と呼ばれます。これは人間に一般的にみられる心理的傾向であって、貯金できない人が特別意志が弱いわけではないんです。
推し活と貯金は「両立」ではなく「分離」で解決する


しかし脳の働きに負けているばかりでは、お金は貯まらないどころか減る一方です。推し活を続けるためにも、抗いましょう。
心理会計を逆手に取れば、貯金は続けられます。
「貯金用のお金」を最初から分けてしまう
解決策はシンプルです。貯金用のお金を、最初から別の口座に移してしまうこと。
給料が入ったら使う前に貯金分を別の口座に移動させる、いわゆる「先取り貯金」です。
最初から手元にないお金は「使えるお金」としてカウントされません。残った金額の中でやりくりするだけなので、「貯金のために我慢している」という損失感が生じにくくなります。
「今月は○円我慢して貯金しよう」ではなく、「手取りは最初からこの金額だった」と思う方が、心理的な負担は軽くなります。
実際、先取りで物理的に分離したお金は、同じ口座に置いておいた場合より手をつけにくくなることがわかっています。場所を分けることで、心の中にも「これは貯金」という枠が強制的に作られるからです。
注意点として、最初から無理な金額を先取りすると「足りなくなって取り崩す」ことになりがちです。
一度取り崩すと癖になるので、まずは「絶対に手をつけない」と決められる少額から始めましょう。
目安としては手取りの10%を先取り貯金したいですが、最初は5%や固定で5,000円からでも構いません。手取りと貯金額のバランスについてはこちらの記事でも紹介しています。
また貯金額は自分の現在の生活状況を十分に考慮して決める必要があります。家計の振り返り方はこちらの記事も参考にしてください。
推し活用の口座とは完全に分ける
日常生活や推し活で使っている銀行口座が複数あるかもしれませんが、貯金用の口座は完全に分離することが大事です。
ゆうちょで取引をして、メガバンクで生活費を管理して、さらに別の口座で推し活費を回している人もいるかもしれません。しかしそれらはすべて「支出用」です。貯金用の口座は、その支出のお金の流れに一切組み込まれていない場所に作る必要があります。
「なんとなく」でお金が出ていくのを防ぎます。
口座を分けることで、心の中にも「貯金用のお金」という特別枠が作られます。その枠に入ったお金は「使ってはいけないお金」として認識されるため、手をつけにくくなるのです。
貯金専用口座にはネット銀行が向いている


では、貯金専用口座をどこに作るか。おすすめはネット銀行です。
日常から「孤立した口座」を作れる
多くの人にとってネット銀行は、給与口座や生活費の引き落とし口座とは別に新規開設しやすいという特徴があります。
グッズやチケットの取引で振込先として求められることも少ないため、日常の支出導線から切り離しやすいです。
この「孤立している」という特性が、貯金専用口座としては強みになります。
誰からも振込を求められないし、普段のATMで気軽に引き出すこともない。お金を最初から「なかったこと」にしやすい環境が整っています。
「引き出しにくさ」と「自動化」が貯金を守る
ネット銀行は専用ATMを持たず、コンビニATMなど提携先で引き出します。どこでもすぐに引き出せるわけではないため、「ちょっと下ろそう」のハードルが上がります。
この不便さが、貯金を守る壁として機能します。
貯金専用口座は便利である必要はありません。むしろ少し不便な方が目的に合っています。
さらに、ネット銀行には「自動入金サービス」を備えているところもあります。給与が入る口座から毎月決まった額を自動で移動させる設定をしておけば、手動で移す手間がなくなります。
「毎月振り込む」という意志力を使う場面をゼロにできるので、怠けても貯まる状態を作れます。
→ネット銀行を使った推し活貯金のしくみについて詳しくはこちらの記事
貯金できない自分を責める前に、口座を分けよう|まとめ


推し活をしながら貯金ができないのは、意志が弱いからではありません。
- すべてのお金が同じ口座にあると「使えるお金」として認識される
- 「貯金用」という枠が心の中にないと、貯金は「損」に見える
- 口座を物理的に分けることで、心理を味方につけられる
貯金を「我慢」で乗り切ろうとしても続きません。実際、貯金が続いている人の多くは「意志が強い人」ではなく、「先に分けるしくみ」を作っている人です。
脳のつくりに「意志」で正面から立ち向かうよりも、現代の便利なしくみで我慢を回避していきましょう。
自分を責める前に、まずはネット銀行を活用して口座を分けてみてください。それだけで「貯金できない自分」から抜け出せる可能性があります。






